Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】日本原子力学会2014年秋の大会 企画セッション

    2014.9.16 コメント無し

    2014年9月8日(月) 13:00~14:30 H会場

    「シミュレーション可視化技術の最前線」

    座長 山本章夫(名大)

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    計算機の性能の向上に伴って詳細な計算モデルを用いた大規模計算も身近なものとなってきており、膨大な計算結果から理解し得る情報を適切に引き出すかという観点で、可視化は重要な技術の一つと言える。本企画セッションでは、可視化技術の最前線について3件の発表が行われた。

     

     

    (1)大規模データ可視化のための統合粒子レンダリング環境の構築  (京大)小山田耕

    ビッグデータ時代において、符号化されたデータから人間が認知できる情報への変換としての可視化が重要となってきている。データ可視化の一つの手法として、ボリュームレンダリングについて解説がなされた。大規模な構造メッシュ体系である場合、体系が詳細かつ大規模になるにつれて、直接的な取扱いでは現実的な時間での可視化が困難になる。そこで、表示デバイスの特性に応じ粒子系による表現形式に変換することで、現実的な時間での対応が可能となっている。

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    (2) 大規模3次元点群データの解析を支援する半透明可視化 (立命館大)田中覚氏

    「3次元点群」という形態での大規模データ(レーザー計測データや大規模粒子系シミュレーションの出力結果等)の半透明な「透視」可視化技術に関する開発について解説がなされた。文化財のレーザー計測データの可視化を例に、対話的なレンダリング速度、内部立体構造の精密な半透明可視化、複数形状の融合可視化の実現方法について説明がなされた。また、発展として、断面図との合成レンダリング、時系列データの融合可視化、流体シミュレーションの事例についの紹介があった。

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    (3) GPUを用いた大規模シミュレーションと可視化 (東工大)小野寺直幸氏

    大規模計算ではGPUのような超並列計算に特化したハードウェアを用いた計算機アーキテクチャが有効であり、それに適した計算手法と可視化について解説がなされた。流体解析において、差分法では隣接メッシュのデータが必要となりメモリアクセスの観点で計算結果が悪化するため、メモリアクセスの局所化に有効である格子ボルツマン法を適用している。本手法による計算結果の可視化の例として、東京上空や車体周りにおける空気の流れについて示された。

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     ※写真の撮影は関係者の許可のもと実施しています。

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