Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】日本原子力学会2015年秋の大会 企画セッション

    2015.9.24 高田 コメント無し

    2015年9月9日(水) 13:00~14:30 D会場

    場所:静岡大学 静岡キャンパス(共通教育A棟A104教室)

    「シビアアクシデント解析の現状とChallenge」

    座長:(東大)笠原直人 氏

    シビアアクシデント解析コードは、感度解析やシナリオ検討など実験的アプローチを補完する優れた能力を有し、事故時の現象進展について妥当な結果を与えることが示されているが、コード内に存在する非常に多くのモデルが相互に関連しながら解析が行われるため、その全容を理解し、各モデルが現象評価結果に対して与える影響を明確化することは容易ではない。本企画セッションでは、シビアアクシデント解析コードの現状と課題に関して3名の専門家の方による講演が行われた。

    2015Autumn_Kikaku2  2015Autumn_kikaku

    なお本企画セッションは、電気新聞より平成27年9月10日付け本紙2面にて紹介頂きました。本文は以下のリンクをご参照下さい。

    http://www.shimbun.denki.or.jp/news/energy/20150910_02.html

     (リンク期間は平成283月頭頃まで)

     

    (1)シビアアクシデント解析コードの概要
     (エネ総研)内藤正則 氏

    福島原発の事故を受けて2011年11月に発足したOECD/NEAの福島原発事故ベンチマーク解析(BSAF)プロジェクトにおいて、従来のシビアアクシデント解析コードでは未考慮の事象・物理現象に対するモデル化の方針を議論し、BSAF共通の解析条件で事故解析が進められている。本講演では、新たなモデル化の主要対象箇所が示され、モデルの概要と課題に関する説明が行われた。

    (2)解析コードを用いた現象評価方法
    (東芝) 小島良洋 氏

    シビアアクシデント時のプラント挙動評価を行う際、現象モデルの不確かさが大きいことによって過度に保守的な評価が行われる可能性があるため、不確かさ低減のために機構論的モデル化や個別要素試験を実施することが有益である。本講演では、MAAPコードによる福島第一原子力発電所の事故進展解析結果に基づき、圧力容器内及び格納容器内で発生したと推定されている現象とその評価結果に関して説明が行われた。

    (3)解析モデル開発におけるChallenge
    (東大)岡本孝司 氏

    シビアアクシデント解析においては、炉心を構成する構造材の変形、溶融、流動、凝固、化学反応といった非線形度が桁違いに大きな現象を解く必要があるため、精密に解くことはあまり意味を持たず、解析の限界を知りつつ可能な限りの評価を行う事が求められている。本講演では、炉内溶融凝固挙動、構造材変形挙動、MCCI挙動などの解析に関するチャレンジについて、実験結果や3次元解析結果に基づく説明が行われた。

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