Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】2016年秋の大会 計算科学技術 一般セッション

    2016.10.19 高田 コメント無し

    日時:2016年9月8日(木) 10:20~17:25

    場所:久留米シティプラザ L会場

    • 計算科学技術(材料の分子計算および核分裂・MA燃焼の解析技術)

    座長:電中研 江口 譲
    2L01:ジルコニウム中溶質元素の第一原理計算
    *板倉 充洋1、沖田 泰良2(1.JAEA、2.東大)

    ジルカロイ燃料被覆管における照射損傷・照射成長について、照射欠陥と鉄・クロムなどの溶質元素の相互作用について第一原理計算を用いて評価する。

    2L02:保存的上昇運動を取り入れた結晶欠陥相互作用のモデル化
    *早川 頌1、沖田 泰良2、愛知 正温2、板倉 充洋3(1.東大、2.東大、3.JAEA)

    中性子照射下で形成する格子間原子集合体の挙動を再現するため、分子動力学法とモンテカルロ法を用いて集合体の保存的上昇運動を定量化した。集合体の回転運動が保存的上昇運動速度に影響を与えることが明らかとなった。

    2L03: MD法による中性子照射下結晶欠陥形成過程に及ぼす材料物性の影響に関する検討
    *沖田 泰良1、Yang Yingjuan2、板倉 充洋3(1.東大、2.東大、3.JAEA)

    MD 法により,高エネルギー中性子照射環境で構造材料に形成する空孔集合体の形態を解明した。比較的大きな集合体が形成する場合,低積層欠陥エネルギーで集合体サイズが大きくなることが明らかとなった。

    2L04: MD法を用いた原子空孔集合体-転位相互作用に及ぼす積層欠陥エネルギーの影響解明
    *土井原 康平1、沖田 泰良2、板倉 充洋3(1.東大、2.東大、3.JAEA)

    低積層欠陥エネルギー(SFE)金属であるオーステナイト鋼に着目し、照射硬化のミクロ要因である転位-ボイド相互作用に及ぼすSFE の影響を原子レベルで解明した。

    2L05: TDDFTによる236Uの核分裂ダイナミクスの計算
    *岩田 順敬1、千葉 敏1(1.東工大)

    空間三次元での時間依存密度汎関数計算による236U の核分裂ダイナミクスの計算結果を紹介する。とくに核分裂中の荷電分布がどのように変化するかに主眼をおいて議論する。

    2L06:教育用FBRプラント設計プログラムのMA燃焼機能の追加
    *笠原 直人1、高橋 忠男2(1.東大、2.FBR高等研)

    教育用FBR プラント設計プログラムFR-Design に対して、高速炉に対する近年の期待である廃棄物の減容・有害度低減を実現するためのMA 消滅に関する計算機能を追加した。このプログラムにより、燃料の増殖と廃棄物の減容のバランスを含んだプラント特性を総合的に理解する俯瞰力を養うことが可能となる。

    • 計算科学技術(地震その他の外部ハザードの材料・構造への影響)

    座長:東大 沖田泰良
    2L07:斜め衝突を受けるRC版の局部損傷評価手法に関する研究 柔飛翔体の衝突による貫通現象の検討
    *西田 明美、太田 良巳、坪田 張二 (JAEA)

    本稿では、柔飛翔体の衝突実験のシミュレーション解析によりモデルの妥当性を検証するとともに、斜め衝突による数値シミュレーションを実施し、得られた知見について報告する。

    2L08:原子力プラントの包括的安全性向上のための地震時クリフエッジ回避技術の開発  その2:建屋システムと原子炉容器・配管の検討
    *崔 炳賢1、西田 明美1、郭 智宏1、山野 秀将1、高田 毅士2(1.JAEA、2.東大)

    本研究では、原子力発電所プラントの安全性確保のためにプラントをトータルシステムとして取り扱い、リスク概念と深層防護の考え方に基づいて様々なクリフエッジ状態を特定・定量化し、これらを回避する技術を開発することを目的としている。本稿では、クリフエッジ回避に向けた建屋システムおよび原子炉容器・配管の予備的解析・評価の結果について報告する。

    2L09:原子力施設の耐震評価のための組立構造解析結果の大規模分散並列可視化
    *郭 智宏1、西田 明美1、崔 炳賢1、中島 憲宏1(1.JAEA)

    原子力機構は原子力施設の耐震解析に取り組んでおり、その全容解析の結果生じたビッグデータの分析・評価が解析以上に困難な課題となっている。この課題を解決するため、並列可視化アプリケーションの研究開発を行っている。本稿はビッグデータの分散処理による可視化とその並列化効率について報告する。

    2L10:過大地震荷重下における振動数に着目した進行性変形の発生条件
    *酒見 亮太1、桂 也真人1、Bari Md Abudulla Al1、佐藤 拓哉1、笠原 直人1(1.東大)

    過大地震荷重によって配管に生じる破損現象に進行性変形がある。本研究では、地震荷重の特性を振動数に着目し3つの領域に分けることで、進行性変形の発生条件を整理することを目指した。

    2L11: PTS時における圧力容器内き裂の応力拡大係数の部位依存性評価
    *阮 小勇1、中筋 俊樹1、森下 和功2(1.京大、2.京大)

    The cracks of the inner surface in the RPV is evaluated by Fracture Mechanics (FM) analysis during PTS loading, which is important in assessing the safety of nuclear power plants. In the present study, the three-dimensional Computational Fluid Dynamics (CFD) simulations and Fracture Mechanics analysis is performed. And it revealed the dependence of Stress Intensity Factor (SIF) on the positon of RPV.

    • 計算科学技術(熱流動現象の数値解析)

    座長:東大 笠原直人
    2L12:竜巻風速場モデルから導出される気圧変化率の数値解析精度
    *江口 譲1、村上 貴裕1、服部 康男1、平口 博丸1(1.電中研)

    竜巻に伴う原子力発電所の重要施設に課される気圧変化率を求めるために,ランキン渦モデルやフジタモデル等の既知の風速場を入力条件として,有限要素法を用いて圧力の空間微分値を計算する方法を提示した。また,得られた数値解析結果の精度に対する圧力安定化法や空間微分値の計算法の影響を評価した。

    2L13:流れ加速型腐食に対するRANSによる形状係数予測に関する研究
    *恒吉 達矢1、伊藤 高啓1、辻 義之1(1.名大)

    複雑流動場における熱伝達(物質伝達)の計算精度向上を目的に,温度場2 方程式モデルを用いたRANS計算を実施した。計算結果をLES および電気化学的手法による実験結果と比較し,RANS による形状係数予測の精度について考察する。

    2L14:原子炉事故解析に向けたマルチフィジクス粒子法コードの開発 (2)空気中における噴出水の飛散挙動解析への適用
    *稲垣 健太1(1.電中研)

    マルチフィジクス粒子法コードによる噴流の飛散挙動解析を可能にするために、精度の良い表面張力モデルおよび空気抵抗モデルを開発し、コードに実装した。それぞれのモデルを検証するための解析を実施し、現象が定性的に正しく再現されることを確認した。

    2L15:核融合シミュレーションコードのGPUクラスタにおける高性能実装
    *松本 和也1、朝比 祐一2、伊奈 拓也1、井戸村 泰宏1(1.JAEA、2.CEA Cadarache)

    核融合プラズマ流体解析コードGT5D の主要計算カーネルを筑波大学のGPU クラスタHA-PACS/TCA において実装し、性能評価を行った結果を述べる。本研究ではコード内で性能ボトルネックとなっている処理に対してGPU 上でのチューニングを行い、実測性能とルーフラインモデルにより算出した達成可能な実効性能との比較をする。また、複数GPU を使用するためにGPU 間通信技術を用いた実装についても述べる。

    2L16:多相流体問題における省通信Krylov部分空間法の性能評価
    *真弓 明恵1、井戸村 泰宏1、山田 進1、伊奈 拓也1、山下 晋1(1.JAEA)

    多相多成分熱流動解析コードJUPITER[1]のPoisson ソルバに省通信CG 法[2]を実装し,実問題における収束特性と処理性能を調査した。省通信化に伴う誤差の蓄積による収束特性悪化の問題を分析し,アルゴリズムを部分的に4 倍精度化して収束特性を向上する手法を考案した。

  • 2016年秋の大会、全体会議、企画セッション、一般セッションのご案内

    2016.9.5 高田 コメント無し

    2016年9月7~9日に久留米シティプラザにて開催される日本原子力学会2016年秋の大会におきまして、計算科学技術部会関連の講演プログラムを以下の通りご案内致します。いずれもL会場 (久留米シティプラザ 大会議室2) にて二日目(9/8)に執り行われます。皆様方のご参加を宜しくお願い申し上げます。

     9月8日(木) L会場(久留米シティプラザ大会議室2)

    • 第20回全体会議 12:00~13:00

    1. 部会長あいさつ(西田部会長)
    2. 各小委員会からの活動報告
    3. その他
    • 企画セッション「外部ハザード評価のための数値解析」13:00~14:30

    座長:西田 明美(原子力機構)

    要旨はこちら(予稿閲覧には別途学会から送付されたパスワードが必要です)

    1. 全体概要 (原子力機構) 西田 明美
    2. マルチスケール粒子法による構造物に作用する津波力評価 (九大) 浅井 光輝
    3. 竜巻飛来物バザード評価におけるシミュレーション利用の現状 (電中研) 江口 譲
    4. 航空機衝突に対する原子力発電施設の耐衝撃設計 (原子力機構) 坪田 張二
    • 一般セッション

    • 材料の分子計算および核分裂・MA燃焼の解析技術 10:20~12:00

    座長:江口 譲(電中研)

    要旨はこちら(予稿閲覧には別途学会から送付されたパスワードが必要です)

    [2L01] ジルコニウム中溶質元素の第一原理計算
    [2L02] 保存的上昇運動を取り入れた結晶欠陥相互作用のモデル化
    [2L03] MD法による中性子照射下結晶欠陥形成過程に及ぼす材料物性の影響に関する検討
    [2L04] MD法を用いた原子空孔集合体-転位相互作用に及ぼす積層欠陥エネルギーの影響解明
    [2L05] TDDFTによる236Uの核分裂ダイナミクスの計算
    [2L06] 教育用FBRプラント設計プログラムのMA燃焼機能の追加

     

    • 地震その他の外部ハザードの材料・構造への影響 14:45 ~ 16:05

    座長:沖田 泰良(東大)

    要旨はこちら(予稿閲覧には別途学会から送付されたパスワードが必要です)

    [2L07] 斜め衝突を受けるRC版の局部損傷評価手法に関する研究
    [2L08] 原子力プラントの包括的安全性向上のための地震時クリフエッジ回避技術の開発
    [2L09] 原子力施設の耐震評価のための組立構造解析結果の大規模分散並列可視化
    [2L10] 過大地震荷重下における振動数に着目した進行性変形の発生条件
    [2L11] PTS時における圧力容器内き裂の応力拡大係数の部位依存性評価

     

    • 熱流動現象の数値解析 16:05 ~ 17:25

    座長:笠原 直人(東大)

    要旨はこちら(予稿閲覧には別途学会から送付されたパスワードが必要です)

    [2L12] 竜巻風速場モデルから導出される気圧変化率の数値解析精度
    [2L13] 流れ加速型腐食に対するRANSによる形状係数予測に関する研究
    [2L14] 原子炉事故解析に向けたマルチフィジクス粒子法コードの開発
    [2L15] 核融合シミュレーションコードのGPUクラスタにおける高性能実
    [2L16] 多相流体問題における省通信Krylov部分空間法の性能評価
  • 【報告】日本原子力学会2016年春の年会 一般セッション

    2016.3.29 高田 コメント無し

    日時:2016年3月26日(土)  10:00~11:55, 14:45~16:05, 16:05~17:25

    場所:東北大学 川内キャンパス B会場(講義棟B棟101)

    • 計算科学技術(破壊試験と数値解析)

    座長:JAEA 田中正暁
    1B01 極限荷重に対する原子炉構造物の破損メカニズム解明と破局的破壊防止策 (12)深層防護1層~3層(設計)とは異なる第4層以降のための構造強度研究
    *笠原直人、佐藤拓哉(東大)、中村いずみ(防災科技研)、 町田秀夫(テプシス)、金伝栄(CTC)

    福島原子力発電所事故の教訓から、深層防護1層〜3層(設計)とは異なる第4層のための、新たな想定破損モードとモード判定マップ、安全裕度を含まない限界強度予測から構成される構造強度評価体系を提案した。

    1B02 (13)試験と解析による局部破損メカニズムに関する研究
    *窪田 穣穂、小木曽 慎、佐藤 拓哉、笠原 直人(東大)

    構造不連続部において発生の可能性が指摘されている局部破損のメカニズムは未だ十分には解明されていない。本研究では、局部破損のメカニズムを研究し、新たに破壊曲面の考え方を提案した。

    1B03 (14)地震荷重の構造物への伝達特性に対する塑性変形の影響
    *酒見亮太、MD ABDULLAH AL BARI、桂也真人、笠原直人(東大)

    塑性変形が起こると地震荷重の構造物への伝達特性に変化が起こり、破損モードに影響する。このため、本研究では、過大地震による構造物の破損メカニズムを解明するために、弾塑性解析によって、塑性化による伝達特性への影響を調べた。

    1B04 (15)Numerical study on ratcheting and collapse failure due to seismic loading
    MD ABDULLAH AL BARI, Yamato KATSURA, Ryota SAKEMI, Takuya SATO,
    *Naoto KASAHARA(Univ.of Tokyo)

    Such failure modes are possible for seismic loading as ratcheting deformation, collapse and low cycle fatigue. Here, occurrence conditions of these failure modes are not clear. This article investigates numerically the dominant parameters of ratcheting and collapse as the combination of gravity and seismic acceleration.

    1B05 (16)破損モードマップを用いた限界強度評価法に関する提案
    *小川博志、町田秀夫 (テプシス) 、笠原直人(東大)

    福島原子力発電所事故の教訓から、深層防護1層~3層(設計)とは異なる第4層のための構造強度評価体系の構築が必要である。その中で使用する破損モードを判定するための破損モードマップの概念と、その具体例として過温過圧時の原子炉圧力容器底部の破損モードマップについて報告する。

    1B06 (17)SUS304円管の超高温外圧座屈
    *岩田耕司、唐木田泰久、金伝栄(CTC)、笠原直人(東大)

    超高温下のSUS304 円管の外圧座屈弾塑性理論解に基づく座屈評価線図を作成した。この座屈理論解と有限要素法による非線形座屈解析結果及び実験値と比較した。

    1B07 (18)信頼性に基づく限界強度評価
    *鈴木正昭、笠原直人(東大)

    設計想定を超える極限荷重に対して、荷重・応答・強度の不確実性を考慮し解析等を活用した、信頼性に基づく原子炉構造物の限界強度評価の枠組みを提示した。

     

    • 計算科学技術(構造・地震および多変量の解析技術)

    座長:東京大学 笠原直人
    1B08 斜め衝突を受ける構造物の局部破壊評価に関する一考察
    *太田良巳、西田明美、坪田張二(JAEA)

    本論文では、垂直衝突に対する局部破壊評価式の既往の斜め衝突実験結果への適用について検討し、得られた知見について報告する。

    1B09 組立構造解析技術による機器解析結果の分析
    *中島憲宏、西田明美、飯垣和彦、沢和弘(JAEA)

    組立構造解析技術を用いて、高温工学試験研究炉の振動挙動解析を行った。解析結果を示すとともに、過去に得られている地震動にともなう観測結果との比較を試みた。

    1B10 3次元有限要素モデルによる原子力施設の地震観測シミュレーションの ための感度解析
    *崔炳賢、西田明美、中島憲宏(JAEA)

    本研究では、3 次元有限要素モデルによる原子力施設の地震観測シミュレーションの入力パラメータが解析結果に与える影響を明らかにするために、原子力施設の応答解析結果の感度解析に取り組み、主要な入力パラメータの設定の違いによる床応答のばらつき評価を実施した。その結果について報告する。

    1B11 原子力施設機器の耐震評価手法による結果影響調査
    *西田明美、飯垣和彦、沢和弘(JAEA)

    原子力施設機器の耐震評価手法の違いが評価結果に及ぼす影響を調査することを目的とし、床応答スペクトルを用いる従来法、多入力法、および、3 次元モデルを用いた応答解析手法による耐震評価を実施し、得られた結果について報告する。

    1B12 環境放射線データの多変量解析のための詳細度制御
    *宮村浩子(JAEA)、高橋成雄(会津大) 、井戸村泰宏、武宮博(JAEA)

    福島県および隣接する都道府県で測定した環境放射線量と標高値双方の特徴を保持しながらデータサイズを調整する適応的可視化アプローチを提案する.

     

    • 計算科学技術(熱流動現象の数値解析)

    座長:JAEA 中島憲宏
    1B13 マルチスケール解析によるナトリウム冷却高速炉の熱過渡現象評価手法の 整備 (1)解析手法整備の概要
    *田中正暁、檜山智之(JAEA)、村上諭(NDD)、堂田哲広、 大島宏之(JAEA)

    ナトリウム冷却高速炉の更なる安全性強化の観点から、熱過渡現象評価手法の高度化を目的として、複数の解析コードを連携させ、プラント全体挙動から、炉上部プレナム等の多次元熱流動現象評価、さらに局所的な構造健全性評価を対象とする解析評価手法を整備する。本報では、その整備概要について報告する。

    1B14 Water Spreading on Floor by Explicit Moving Particle Simulation Method
    *Zidi Wang, Tiangang Zhang, Kohei Murotani, Kazuya Shibata, Seiichi Koshizuka(Univ. of Tokyo)

    In order to simulate the flooding phenomenon in nuclear power plant caused by the water tank breaking, LOCA and so on, validation of water spreading on floor needs to be studied. In this paper, the Explicit Moving Particle Simulation method is employed to analyze water spreading on floor. The simulation results, especially the leading edge behaviors, are compared with the experimental data. Besides, convergence of the particle sizes is investigated. Additionally, simulation with the polygon wall boundary model is also presented in this study.

    1B15 粒子法を用いた東日本大震災の津波による福島第一原子力発電所 1号機タービン建屋内の3次元浸水解析
    *南日泰俊、室谷浩平、越塚誠一(東大)、永井英一、 藤澤智光(プロメテック)、安重晃(構造計画研)

    東日本大震災の津波による福島第一原子力発電所1号機のタービン建屋内の3次元浸水解析を行う。

    1B16 シビアアクシデントにおける炉内溶融のための伝熱・流動現象のモデリング
    *高畑和弥(東大)、PAVLDIS DIMITRIOS、 PAIN CHRISTOPHER(Imperial College London)、酒井 幹夫(東大)

    炉心損傷事故のようなシビアアクシデントは高温・高放射線量という過酷な環境下で起こるため、直接的なアプローチでの原因解明は非常にリスクが高く困難である。本研究ではラグランジュ的手法の一つであるMPS法を用いて炉内溶融現象のための伝熱・流動現象のモデリング手法を開発した。

    1B17 溶融ガラス中の白金族粒子の分散・凝集状態と見かけ粘度の関係
    *荒木裕行 、酒井幹夫(東大) 、内山翠、藤原寛明 (IHI)

    使用済核燃料の再処理過程で使用されるガラス溶融炉では、炉の安定性を保つため白金族粒子を含む溶融ガラスのレオロジー特性を把握することが重要である。本研究では、凝集・分散状態の溶融ガラススラリーに関して、DEM-DNS 法を用いた数値解析を行い、そのレオロジー特性の比較を試みた。

  • 【報告】2015年秋の大会 計算科学技術 一般セッション

    2015.9.25 高田 コメント無し

    日時:2015年9月9日(水)  14:40~18:15

    場所:静岡大学 静岡キャンパス D会場(共通教育A棟A104)

    • 計算科学技術(破壊試験と数値解析)

    座長:JAEA 西田明美
    D08 極限荷重に対する原子炉構造物の破損メカニズム解明と破局的破壊防止策;(6)模擬材料を使用した破損実験と解析技術の提案
    (東大) ○笠原直人,出町和之,鈴木正昭,佐藤拓哉,(防災科技研) 中村いずみ,(CTC) 岩田耕司

    超高温状態や構造物全体に塑性変形を起こさせる過大荷重による実験は安全と装置容量の両者から困難がある。このため、低温でクリープを生じ、ヤング率や降伏応力が小さい模擬材料を使用した実験と解析技術を提案した。

    D09 ;(7)地震荷重によって発生する機器・構造物の進行性変形機構に関する研究
    (東大) ○桂也真人,國府田敏明,Bari Md Abdullah Al,出町和之,笠原直人,(日揮) 佐藤拓哉

    地震荷重下によって発生する進行性変形のメカニズムを解明することを目的として、平板試験片の加振試験を行った。その結果、熱ラチェットの評価と同様に、定常荷重と繰り返し荷重の組み合わせで発生条件を評価できることを確認した。また、振動荷重の周波数が高いほど、繰り返し荷重の影響が小さくなることを確認した。

    D10 ;(8)Buckling and post buckling of stainless steel tube columns under external pressure
    (Univ. of Tokyo) ○ Byeongnam Jo,Koji Okamoto,Naoto Kasahara

    This study aims to experimentally investigate the buckling and the post buckling behaviors of stainless steel cylindrical tube columns under external pressure. The effects of the external pressure on the buckling temperature was studied for different buckling modes. The change in the buckling temperature was also measured as a function of the radius to thickness ratio. Additionally, the temperature of the tube columns which was already buckled by the external pressure to examine the boundary failure mechanism.

    D11 ;(9)原子炉圧力容器の破損モードマップに関する検討
    (テプシス) ○小川博志,町田秀夫,(東大) 笠原 直人

    シビアアクシデントや巨大地震時に想定される過温過圧および過大荷重に対する原子炉構造物の破損メカニズムを解明するために、数値解析を用いて各破損モードに対する破損限界及び破損モードマップを検討した。

    D12 ;(10)炭素鋼配管系の大変形弾塑性動的解析
    (CTC) ○唐木田泰久,岩田耕司,金伝栄,(東大) 笠原直人

    高温配管用炭素鋼STPT370に対して大ひずみ域まで適用できる繰返し塑性構成式を開発し、地震荷重下の配管系の詳細な大変形弾塑性動的解析に適用した。既往の配管系の地震波加振試験データとの比較により妥当性の確認を行った。

    D13 ;(11)過大地震荷重下の配管疲労強度の信頼性評価
    (東大) ○鈴木正昭,笠原直人

    過大地震荷重下の低サイクル疲労破損モードに対する信頼性に基づいた配管強度評価のために、荷重と強度の不確実性を考慮した信頼性解析を行い、各荷重・強度因子の部分安全係数ならびに等信頼度疲労曲線を導出した。

    • 計算科学技術(不確かさと信頼性)

    座長:東大 笠原直人
    D14 構造解析解の確かさ推定のための数値実験
    (JAEA) ○中島憲宏,西田明美,川上義明,鈴木喜雄

    組立構造物の構造解析コードFIESTAの一部機能である解析結果の不確かさを確認する手段について,数値実験した結果について報告する。

    D15 地震リスク評価の信頼度向上のための建屋の感度検討
    (JAEA) ○西田明美,(東大) 高田毅士,(東京都市大) 村松健

    原子力施設のリスクマネジメントの基盤技術としての地震起因事象に関する確率論的地震リスク評価手法について、評価結果に伴う不確実さを定量化するための検討に取り組んでいる。これまでに、機器のフラジリティ評価における認識論的不確実さ評価のうち、建屋・地盤応答解析の認識論的不確実さ評価にかかわる検討として、モデルプラントを対象とする感度解析や応答解析を実施している。本稿では、特に建屋の感度検討の結果得られた知見について述べる。

    D16 ナトリウム冷却高速炉の熱流動解析評価手法整備におけるV&V実施手順の具体化;(1)最小2乗法GCI 評価手法の整備と不確かさ評価
    (JAEA) ○田中正暁

    ナトリウム冷却高速炉の熱流動解析評価手法整備におけるV&V の実施手順具体化の一環として、最小2乗法による格子収束性評価手法を用いた不確かさ評価手法を整備した。

    • 計算科学技術(解析モデルと可視化)

    座長:JAEA 田中正暁
    D17 白金族粒子を含む溶融ガラススラリーの排出過程の数値解析
    (東大) ○境正俊,酒井幹夫

    DEM-MPS法を用いて、ガラス溶融炉で用いられるような、高粘性スラリーの排出過程のシミュレーションを行った。

    D18 2次元情報可視化による多変量データ解析
    (JAEA) ○宮村(中村)浩子,川上義明,鈴木喜雄,河村拓馬,中島憲宏

    多変量シミュレーションデータを解析するための情報可視化ツールを提案する。本ツールは、2次元可視化手法であるマトリクスグラフとパラレルコーディネイトを拡張することで多変量データ解析に必要な情報を提示する。

    D19 RELAP/SCDAPSIM を用いた教育向けグラフィカル解析プラットフォームの開発;(1)開発コンセプトとシステムアーキテクチャ
    (原子力エンジ) ○玉利洋平,辻田浩介,佐藤鉱太郎,巽雅洋

    原子炉圧力容器内の炉心損傷を模擬できる教育用プラント挙動解析システム『GRAPE』を開発した。解析エンジンとしてRELAP/SCDAPSIM を採用し、複数のプラントモデルに対応する。本稿では、開発コンセプトとシステムアーキテクチャの概要を述べる。

    D20 ;(2)システム設計とソフトウェア実装
    (原子力エンジ) 玉利洋平,○辻田浩介,佐藤鉱太郎,巽雅洋

    原子炉圧力容器内の炉心損傷を模擬できる教育用プラント挙動解析システム『GRAPE』を開発した。解析エンジンとしてRELAP/SCDAPSIM を採用し、複数のプラントモデルに対応する。本稿では、システム設計とソフトウェア実装の概要を述べる。

  • 【報告】2014年秋の大会 計算科学技術 一般セッション

    2015.3.16 桐村 コメント無し

    日時:2014年9月8日 14:40~18:15

    場所:京都大学 吉田キャンパス H会場(工学部3号館W1)

    計算科学技術(可視化と計算科学技術)

    座長:東京大学 沖田泰良

    H08 構造解析のための協調可視化環境の開発

    (東北大) 竹島由里子

    可視化図から対象となるデータや可視化パラメータ値などを把握することは不可能であり、ユーザは個々でこれらの情報を管理しなければならないのが現状である。そこで、目的指向型可視化支援環境と統合することにより、可視化処理によって得られた画像と、対象データ、可視化処理の履歴、得られた知見などを関連付けて一括管理する、構造解析のための協調的可視化環境の構築を提案し、報告した。

    H09 環境放射線データの適応的可視化アプローチ

    (JAEA) 宮村浩子

    膨大な測定データを可視化する際には情報の相殺が生じ、重要な情報が埋もれてしまう可能性がある.そこで、微分トポロジー解析によって環境放射線量分布の大局的特徴を抽出し、その構造を保持しつつ、可視化要素を削減することでデータサイズの調整を可能とする適応的可視化アプローチを提案し、報告した。

    H10 粒子ベースボリュームレンダリングによる“京”における大規模計算データの遠隔可視化

    (JAEA) 河村拓馬

    「京」における大規模計算データの解析を目的として、粒子ベースボリュームレンダリング (Particle-based Volume Rendering, PBVR)を利用したクライアント/サーバ方式の分散可視化処理を構築した。サーバの超並列処理によって可視化処理を飛躍的に高速化したことで約1 秒/ステップの対話的可視化を実現したことを報告した。

    H11 Development of a Hybrid Particle-Mesh Method for Simulations of Multiphase Flows

    with Phase Change

    (JAEA) Xiao Xing Liu

    多相流現象を解くため、CIP/MMおよび有限体積粒子法(FVP)によるハイブリッド手法を開発し、蒸気-液体の相変態を伴う1次元Stefan問題で手法を検証した結果を報告した。

    H12 On the use of NURBS for particle transport calculations

    (福井大) W.F.G. van Rooijen

    レイトレーシングによる粒子輸送の幾何情報においてNURBSを利用する手法を提案している。予備的試験の段階ではあるが、実問題への適用可能性を有していることを報告した。

    計算科学技術(構造解析)

    座長:JAEA 西田明美

    H13 多孔板の平均的非弾性挙動を表現する等価応力に関する研究

    (東大) Yeldos Kultayev

    多孔板の設計時における解析を簡略化するため、孔の無い等価な弾性体の軸対称でのモデル化が行われることがある。非弾性域への展開のため、ESRが研究されてきていたが、物理的な意味が不明であった。そこで、ESRのパラメータからの脱却と物理的な意味付けを実現し、応力再配分メカニズムに基づいた簡略化モデルを提案し、報告した。

    H14 弾性解析に基づく円筒容器の熱ラチェットひずみ予測法の開発

    (東大) 國府田敏明

    原子炉等の高温構造物では、弾塑性変形が一方向に累積していく熱ラチェット現象によって過大変形に至る可能性があるが、現行の設計規格では熱ラチェット変形の発生の有無を判定することに主眼が置かれており、熱ラチェットひずみそのものの定量評価は行われていないのが現状である。そこで、一定内圧と板厚内の繰返し温度変化を受ける薄肉円筒容器を対象に、弾性解析に基づく熱ラチェットひずみの予測法を提案し、簡易評価できることを報告した。

    H15 MD 法を用いたBWR 炉内構造材照射硬化に及ぼす材料物性の影響に関する解明

    (東大) 沖田泰良

    積層欠陥エネルギーのみを変化させた原子間ポテンシャルを用いて、I-loopと刃状転位の相互作用過程について、分子動力学的評価を行った。BWR取替材で観察されるサイズのI-loopでは、bloopの変換が困難であり、積層欠陥エネルギーが低いほど照射硬化が低くなることを見出し、報告した

    H16 組立構造解析手法による時刻歴応答解析

    (JAEA) 中島憲宏

    大型構造物の耐震健全性を分析するための耐震信頼性試験を計算機上で実現できるように、耐震性評価用3 次元仮想震動台の開発を進めており、その中核機能のひとつとして、FIESTA(Finite Element Structural Analysis for Assembly)と呼ぶ組立構造物の構造解析コードを開発してきた。FIESTAは、原子力施設等の耐震健全性評価を行う一つの手段として、組立構造物の部品間挙動に着目した詳細解析法であり、その一部機能である時刻歴応答解析について報告した。

    計算科学技術(リスク評価と計算科学)

    座長:JAEA 中島憲宏

    H17 リスクマネジメント基盤技術としての地震リスク評価の信頼度向上に関する研究

    (6)コード開発と試解析

    (東京都市大) 村松健

    確率論的地震リスク評価(地震PRA)の信頼度向上に関する研究の一環として、モンテカルロ法を用いた地震PRA用システム信頼性解析コードを改良して事故シーケンス発生頻度の不確実さ解析を可能とするとともにモデルプラントを対象に試計算を行った。確率論的応答解析の結果を同コードで用いるための計算手順を検討し、実用的で信頼性の高い事故シーケンス評価ができる可能性のあることを報告した。

    H18 リスクマネジメント基盤技術としての地震リスク評価の信頼度向上に関する研究

    (7)建屋・機器応答評価における専門家意見の活用

    (東大) 高田毅士

    地震時の建屋・機器フラジリティ評価の一部を成す地震時応答評価において、注意すべき認識論的不確実さについて複数の専門家を活用して意見収集を行うとともに、地盤・建屋・機器系の種々の応答解析モデルを用いた感度解析結果を踏まえた地震時応答の特性、原子炉建屋の挙動評価結果ならび機器系への入力評価に関する専門知を整理し、その結果を報告した。

    H19 リスクマネジメント基盤技術としての地震リスク評価の信頼度向上に関する研究

    (8)建屋・地盤の感度検討

    (JAEA) 西田明美

    原子力施設のリスクマネジメントの基盤技術としての地震起因事象に関する確率論的リスク評価手法について、評価結果に伴う不確実さを定量化するための検討を行ってきている。地盤特性にかかわるパラメータの建屋応答への感度は比較的小さいことや建屋のモデル化が局所的な床応答に感度を有するといった結果について報告した。

    H20 リスクマネジメント基盤技術としての地震リスク評価の信頼度向上に関する研究

    (9)機器/配管系のフラジリティ評価

    (東京都市大) 古屋治

    機器のフラジリティとその不確実さを解析的に評価する手法を検討している。残留熱除去系における重要機器を選定し、三次元FEM 解析モデルおよび質点系モデルでの床応答スペクトルより、不確実さ因子の幅設定に関する情報の導出を試みた。ここでの結果だけでは単純な評価は困難であり今後も検討を継続することが報告された。