日本原子力学会 計算科学技術部会

Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 日本原子力学会2018年秋の大会 計算科学技術部会 一般セッション報告

    2018.11.5 酒井幹夫 コメント無し
    • 計算科学技術(構造解析)
    2018年9月6 日(木)17:30~18:15  H会場 (座長:東京理科大 鈴木 正昭)
    2H20:原子力施設全体規模の構造解析に向けた要素毎有限要素接触解析手法: 階層化手法における加算順序の自動最適化
    *鈴木 喜雄1、井原 遊2、奥田 洋司2 (1. 原子力機構、2. 東京大学)

    原子力施設全体規模の構造解析に向けて実施した、並列かつ省メモリ解が析可能な要素毎有限要素接触解析手法について報告する。これまでに提案した並列化手法に対して、更なる性能向上のためにFrontal 行列の加算順序を自動最適化する方法を提案し、有効であることを確認した。

    2H21:Study on Failure Modes of Piping Structures under Realistic Seismic Waves
    *Jinqi LYU1, Md. Abdullah Al BARI2, Naoto KASAHARA1 (1. The University of Tokyo, 2. Khulna University of Engineering and Technology)

    This study focuses on frequency dependent characteristics and proposes a failure mode map of piping structures under realistic seismic loads.

    2H22:斜め衝突による RC版の局部損傷評価に関する研究
    *康 作夷1、永井 穣1、西田 明美1、坪田 張二1 (1. 日本原子力研究開発機構)

    剛飛翔体の衝突に伴う構造物の局部破壊については、その破壊様式に応じて多くの評価式が提案されている。既往の評価式は、構造物に対して垂直に衝突する実験から導かれた実験式が主であり、斜め衝突に関する研究はほとんど行われていない。そこで本研究では、実験結果およびシミュレーション結果に基づき斜め衝突に対する局部損傷評価式を提案することを最終目的とする。本稿では、検証された解析手法を用いて実施した、円筒型と半球型の異なる先端形状を有する柔飛翔体の衝突シミュレーション解析の結果を示す。解析の結果より、柔飛翔体の先端形状がRC構造物の局部損傷に及ぼす影響の違いについて議論する。

     

    • 計算科学技術(事故解析)
    2018年9月7日(金)09:30~10:50  H会場 (座長:JAEA 山下 晋)
    3H01:設計条件外での原子炉隔離時冷却系の動作条件の実験・解析評価
    *茶木 雅夫1、都築 宣嘉1 (1. エネ総研)

    原子炉隔離時冷却系(RCIC)は福島事故時に約66時間動作を継続したと推定されている。この間、現状の設計条件外の状況でも動作を継続したと考えられている。現状設計範囲外でのRCICの運転挙動を把握し、RCICの運転範囲を拡大することが出来れば原子炉の安全性向上に寄与できるとともに、過酷事故時の運転マニュアルの合理化、低圧注水までの時間的余裕の確保、運転員の負荷低減につながる。本報では実験、CFD解析、SAコード向けモデル開発を含む本研究プロジェクトの全体計画を説明する。

    3H02: 設計条件外での原子炉隔離時冷却系の動作条件の実験・解析評価
    *森田 能弘1、木野 千晶1、茶木 雅夫1 (1. エネルギー総合工学研究所)

    福島第一原子力発電所の事故時に、RCICが設計条件外の状況においても動作を続けていたと推定されている。その挙動を把握することによりRCICの動作範囲の拡大が可能となり原子炉の安全性の向上に寄与できることが期待されている。当研究所では過酷事故解析コードに実装可能な計算モデルを開発し、実装することでより解析による詳細な安全性評価が行えることを目指している。本発表では福島第一原子力発電所二号機の事故時のデータを基に、過酷事故解析コードSAMPSONによって設定条件外の状況におけるRCICの注水流量などの挙動を解析した結果を紹介する。

    3H03: 国産 SAコード SAMPSONの高度化
    *冨永 直利1,2、Finger Richard1,3、茶木 雅夫1 (1. エネルギー総合工学研究所、2. 現所属 アドバンスソフト、3. 現所属 ゴールドマン・サックス証券)

    原子炉容器内の事象から格納容器内事象に至る一連の事象を解析できる国産コードとして、SAMPSONは1993年度よりコード開発が行われてきた。また福島第一原子力発電所事故以降、事故を踏まえたSAMPSONコードのモデル改良や各号機の事故進展解析が実施され、現在もエネルギー総合工学研究所では開発を継続している。本報ではアクシデシトマネジメント策の評価・改良など、汎用的用途への適用を容易にするため開発した制御インターフェースモジュールについて報告する。本開発では将来的な拡張性を考慮したFortranプログラムコードを適用し、検証解析を実施した。

    3H04: MELCOR,SAMPSONによる MCCI現象の分析
    *氷見 正司1、森田 秀利1、伊藤 耕悦1、井手 善広1、中村 康一2 (1. アドバンスソフト、2. 電中研)

    キャビティにおける燃料デブリ挙動を、その質量、冷却水量とタイミング、壁温度境界条件をパラメータとした燃料温度多様体で表現して、試験結果から実機での予測を俯瞰できるようにした。簡易モデルとMELCORによる解析から現象をより詳細に理解することに努めた。

    3H05: 統計的安全評価における代替統計モデルの適用
    *木下 郁男1 (1. INSS)

    PWRプラントにおける小破断LOCA高圧注入系不作動事象のアクシデントマネジメント策を対象に、RELAP5コードによる燃料被覆管最高温度(PCT)の統計的安全評価に対する代替統計モデルを構築し、代替統計モデルによるPCTの不確かさ評価結果をRELAP5コードによる解析結果と比較した。

     

    • 計算科学技術(微視的解析)

    2018年9月7日(金)10:50~12:00  H会場 (座長:Univ. of Fukui Willem Van Rooijen)
    3H06:MD法による中性子照射下結晶欠陥形成過程に及ぼす材料物性の影響
    *川満 昭英1、早川 頌1、沖田 泰良2、板倉 充洋3 (1. 東京大学大学院工学系研究科、2. 東京大学人工物工学研究センター、3. 日本原子力研究開発機構)

    面心立方金属を対象として、中性子照射下での結晶欠陥形成におけるひずみ負荷の影響を分子動力学法により定量化した。引張ひずみ負荷により、特に格子間原子集合体の形成が影響を受けることが明らかとなった。

    3H07:On-the-fly キネティック・モンテカルロ法を用いた面心立方金属中における照射誘起欠陥の挙動に関する検討
    早川 頌2、*柴崎 京介1、沖田 泰良3、板倉 充洋4、Xu Haixuan5、Osetsky Yuri N.6 (1. 東大・工、2.東大院・工、3. 東大・人工物、4. JAEA-CCSE、5. テネシー大学、6. オークリッジ国立研究所)

    中性子照射化で形成する照射欠陥集合体の挙動と形態に関して、分子動力学(MD)法の結果を初期値とし、On-the-fly キネティック・モンテカルロ法を用いた解析を行った。原子挙動の精確さを保持しつつ、MD法よりも二桁近い長時間での欠陥拡散を再現することが可能となった。

    3H08:MD法を用いた原子空孔集合体-転位相互作用に及ぼす積層欠陥エネルギーの影響解明(4)
    土井原 康平2、*沖田 泰良1、板倉 充洋3 (1. 東京大学人工物工学研究センター、2. 東京大学大学院工学系研究科、3. 日本原子力研究開発機構)

    低積層欠陥エネルギー(SFE)金属であるオーステナイト鋼に着目し,照射硬化のミクロ要因としてボイドとらせん転位の相互作用に及ぼすSFEの影響を原子レベルで解明した.交差すべりの発生有無,及びその発生回数が相互作用を決定づける因子であることが明らかとなった.

    3H09:スペクトル法を用いた重イオン衝突過程の精密計算 II
    *岩田 順敬1、武井 康浩2、楚 天舒3、李 必恒4 (1. 東京工業大学 科学技術創成研究院、2. みずほ情報総研、3. 千葉大学 理学部、4. 芝浦工業大学 工学部)

    非線形クラインゴルドン方程式を計算することで、相対論効果と非線形相互作用との競合関係を明らかにする。非線形クラインゴルドン方程式に対して、分数冪型の非線形相互作用がある場合についてスペクトル法を基礎とした精密な数値計算法を提案する。核子多体系についてのこれまでの研究から、分数冪型の非線形相互作用は有限サイズの媒質において、圧縮率の妥当な値を与えるために不可欠であることが指摘されている一方で、分数冪という性質から精密計算を行ってその本質を明らかにするための研究は進んでいない。分数冪効果を相対論的効果との競合関係の中で明らかにするとともに、誤差評価を始めとした一連の評価式を得ることで、分数冪数値計算法の基礎に関する一連の結果を報告する。

     

    • 計算科学技術(燃料・炉心解析)

    2018年9月7日(金)14:45~15:50  H会場 (座長:日立GE 光安 岳)
    3H10:深層学習による燃料装荷パターンの直感的生成手法の検討
    *石谷 和己1 (1. 原電エンジニアリング)

    取替炉心設計では,限られた期間内に天文学的な組合せから設計条件を満たす装荷パターンを探し出す必要がある。その際,使用可能な燃料の中からどの燃料を用いるかも併せて考える必要がある。有用だが探索に少なくとも数十分を要する自動探索コードを投入する価値の有る燃料の組合せを(試行錯誤的な探索過程を経ずに)瞬時に見極めるべく,自動探索コードにより最適化された装荷パターンを教師データとして深層ニューラルネットワークに学習させ出力させることを考えた。これまでの全結合型ネットワークに加え,画像認識/画像生成分野で活用事例の多い畳み込み型ネットワークの活用について検討した。

    3H11:二酸化ウランおよびガンマ鉄のノンコリニア常磁性状態の第一原理計算
    *板倉 充洋1、沖田 泰良2、中村 博樹1 (1. JAEA、2. 東京大学)

    原子力材料の中で磁性状態の再現が困難なため第一原理計算があまり行われない二酸化ウランとガンマ鉄について、ランダムに分布するノンコリニアな磁性状態を用いた計算の収束性等について議論する。

    3H12:IGA法を用いた中性子輸送計算手法の研究
    *堀田 理穂1、W.F.G. van Rooijen2 (1. 福井大学大学院、2. 福井大学附属国際原子力工学研究所)

    IGA法および輸送理論を用いて、任意の形状に対して中性子束分布を解析する手法を開発している。NEWTの解析結果との比較により、現在の解析手法の精度について評価を行った。今回は2次元の解析結果を紹介する。

    3H13:IGA法を用いた中性子輸送計算手法の研究
    *Van Rooijen Willem1、堀田 理穂2 (1. 福井大学附属国際原子力工学研究所、2. 福井大学大学院)

    IGA法および輸送理論を用いて、任意の形状に対して中性子束分布を解析する手法を開発している。従来の計算コードの解析結果およびベンチマークの計算結果との比較により、現在の解析手法の精度について評価を行った。今回は3次元の解析結果を紹介する。

     

  • 第16回(2018年度)部会賞受賞候補者推薦の募集

    2018.9.24 高田 コメント無し

    第16回「日本原子力学会 計算科学技術部会賞」受賞候補者の推薦を募集いたします。

    下記の募集要項をご参考の上,適当と思われる部会賞候補者を多数ご推薦下さるようお願い申し上げます。

    募集締め切りは【平成30年12月21日(金)】となっております。また、問い合わせ、応募先は以下となっております。

    日本原子力学会計算科学技術部会部会長 伊藤 啓
    e-mail : award[a]csed.sakura.ne.jp ([a]→@と変更ください)

    以上、大変お手数ですが宜しくお願い申し上げます。

  • 【報告】平成30年度 日本原子力学会秋の大会 計算科学技術部会 第24回全体会議

    2018.9.23 高田 コメント無し

    平成30年度日本原子力学会秋の大会 計算科学技術部会 第24回全体会議

    議事録

    1.日時:平成30年9月7日(金) 12:00~13:00

    2.場所:岡山大学津島キャンパスH会場

    3.議事次第
    全体会議
    1)部会長挨拶
    伊藤部会長より挨拶が行われた。
    2)部会賞表彰細則改定
    学会においてカテゴリの見直しによる区分コードの変更があったことから、第3条(5)部会学生優秀講演賞の説明に記載されている「区分コード(307-1)」を、「区分コード(305-1)」に改定することについて報告された。
    3)小委員会活動報告
    各小委員会の委員長より上期の活動について報告された。
    4)その他
    熱流動部会において研究専門委員会が立ち上がることとなり、熱流動部会より、計算科学技術部会への協力依頼があり、協力していくことが承認された。伊藤部会長が委員として参加することが報告された。
    5)役員・委員の交代について
    高田副部会長、兼、広報小委員長が職務の都合上、継続できないこととなり、副部会長には鈴木喜雄(総務小委員長、JAEA)が、広報小委員長には酒井幹夫氏(出版・編集小委員、東京大学)が引き継ぐことが承認された。
    6)告知等
    全体会議終了後に行なわれる、計算科学技術部会セッション「人工知能技術の活用と将来展望」、および、計算科学技術部会の一般セッションの告知がなされた。

    以上

  • ニュースレター30号

    2018.8.30 高田 コメント無し

    ニュースレター30号をお届けします。

    こちらからもご覧になれます。)

    • 巻頭言 2018年度 部会長 伊藤 啓
    • 2017年度 計算科学技術部会 部会賞 贈賞報告
    • 2018年春の年会 計算科学技術部会全体会議 開催報告
    • 2018年度 計算科学技術部会 役員紹介
    • 2018年秋の大会 計算科学技術部会全体会議 開催案内
    • 2018年秋の大会 計算科学技術部会 一般セッション開催案内
    • 2018年秋の大会 計算科学技術部会 企画セッション開催案内
    • 一言一語 「ラジオリシス、腐食の分野での計算科学」
      (一財)エネルギー総合工学研究所 内田 俊介 氏
    • 30号特集記事 「計算科学技術部会のこれからを担う皆さんへ」
      (初代出版・編集小委員長)MHIニュークリアシステムズ・ソリューションエンジニアリング㈱ 佐治 悦郎 氏
    • 講習会・ワークショップ等の開催報告・連絡事項等
    • 年間予定
    • 編集後記

    (表紙絵) 齋藤 慎平 氏(筑波大学大学院)
    (2017年度 部会CG賞)

  • 【報告】日本原子力学会2018年春の年会 企画セッション

    2018.5.20 高田 コメント無し

     

    日本原子力学会2018年春の年会

    企画セッション報告:「計算科学技術分野におけるモンテカルロ(MC)法の活用~現状と将来展望~」

    日 時:3 月26日(月) 13:00~14:30  C会 場

    座 長:巽 雅洋 (原子力エンジニアリング、計算科学技術部会長)

    聴講者:50名

    概要

    原子力分野において、モンテカルロ法(MC法)を用いた数値解析は炉心計算等において欠くことのできない重要な役割を担っている。加えて、近年では安全評価(PRAなど)において、MC法を用いた解析の利用が進んでいる。また、流体解析手法であるDSMC(Direct Simulation Monte-Carlo)法など、MC法を用いた解析の使途は多岐に渡っている。本企画セッションでは、MC法を用いた最新の数値解析研究について紹介するとともに、MC法の将来展望などに関して議論した。

     

    炉物理分野におけるモンテカルロ計算の現状と将来展望(原子力機構:長家 康展 氏)

    モンテカルロ法の黎明期から最新の炉心解析技術まで、非常に多くの研究内容についてレビューが行われ、炉心設計に適用するためには計算能力の問題が残されているが、炉内の複雑な現象(核熱カップリング、非定常現象など)を解析する技術は既に開発されていることが示された。

    モンテカルロ法を用いた動的リスク評価研究(東京大学:張 承賢 氏)

    現状の代表的な確率論的リスク評価手法(イベントツリーに基づく手法)における問題点について紹介があり、連続マルコフ過程モンテカルロ法を用いることで原子炉事故時の事象進展を動的に評価できることが述べられた。また、実際の高速炉の除熱源喪失事故を対象とした解析において、メタモデルを用いた解析時間短縮について説明があった。

    気体温度勾配により物体に誘起されるクヌッセン力のDSMC法による研究(東北大学:米村 茂 氏)

    クヌッセン数によって希薄流体の挙動がどのように変化するかについて説明があり、ボルツマン方程式の解法の1つであるDSMC法の概要が述べられた。実際に、高温壁面の上方に低温のマイクロスケール物体を配置した解析を行った結果、物体に浮上力が働くことが示された。