Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • Dr.Tatsumi

    2017年度部会長 巽雅洋

     

    2017年度 部会長 巽雅洋

    (株式会社 原子力エンジニアリング)

    「計算科学技術部会のミッションと部会員の皆様にお願いしたいこと」

     計算科学技術部会は、2002年7月8日に設立が承認され、2002年秋の大会にて部会設立総会が開催されました。ちょうど、初代の「地球シミュレータ」が稼働し、「コンピュートニク」として世界に衝撃を与えた年です。それから15年の間に、計算機の性能は飛躍的に向上しました。テラフロップス級の計算能力は、少し前まで、スーパーコンピュータのような一部の環境でのみ享受できるものでした。それが今や、個人が自分の机の上で独占できる時代です。
     このような技術的背景のもと、計算科学技術に対する期待も高まりつつありますが、私たち計算科学技術部会が果たすべき役割はどうあるべきなのでしょうか? 私は、当部会のミッションは、計算科学と計算技術の二つの領域にまたがる議論を活性化することである、と捉えています。
     計算科学の領域では、Modeling & Simulation (M&S) がキーワードになります。Multi-Scale, Multi-Physics, DNS (Direct Numerical Simulation) 等のアプローチにより、計算を通じて、物理現象に対する新しい知見を得ることが目的です。一方、計算技術の領域においては、Architecture & Algorithmがキーワードです。HPC (High Performance Computing)、数値演算技術、可視化技術など、対象問題から新しい価値を抽出する方法を探求することが目的です。
     この計算科学と計算技術という両輪は、協調して働くことで、その効果を最大限に発揮できます。このためには、様々な分野の専門家が集まってアイデアを持ち寄り、意見を交換し、新たな視点を見いだすことが重要となります。計算科学技術部会は、まさにこのような場を提供するために発足した部会です。新しい視点を生み出すきっかけとなるように、部会員の皆様には、計算科学技術部会の一般セッションにおけるご発表や活発なご議論をお願いしたいと思います。
     また、当部会でも長らく注力してきた Verification & Validation (V&V) についても、学会標準が先日に発刊となり、議論の土台ができあがりつつあります。これまでに学会の企画セッションにおいても何度か取り上げてきましたが、今後は個別領域における実施例の議論が期待されています。これについても、是非とも皆様からの情報発信をお願いしたいと思います。
     最後になりましたが、部会運営委員やWebサイトのお問い合わせフォームを通じて、当部会に対するご意見やご要望を是非ともお寄せください。部会運営委員は、部会員の皆様へのサービス係であり、皆様のお役に立つような企画を実現してまいります。至らぬ点もあるとは思いますが、誠心誠意、部会運営に努めてまいる所存ですので、ご理解とご協力をお願いいたします。