Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】2015年秋の大会での全体会議

    2015.9.25 高田 コメント無し

    1.日時:平成27年9月9日(水) 12:00~13:00

    2.場所:静岡大学 静岡キャンパスD会場

    3.議事次第

    全体会議

    1)部会長挨拶

    笠原部会長より挨拶がなされた。

    2015Autumn_meeting1 2015Autumn_meeting2

    2)部会規約改正について

    部会等運営委員会伊藤委員より、部会規約改正の説明がなされた。今回の改正は部会間での表現の統一を図るものであり、内容の変更はないことが説明され承認された。附則が部会規約内に2カ所あることが指摘され、学会側に確認することとなった。

    3)小委員会上期活動報告

    各小委員会の委員長より上期活動報告がなされた。

    4)告知等

    全体会議終了後に行なわれる計算科学技術部会セッション「シビアアクシデント解析の現状とChallenge」、計算科学技術部会の一般セッションの告知がなされた。

    5)その他

    次回、及び今後の企画セッションのテーマに関して議論を行った。V&Vをアプリケーション側から議論する、世界規模での動向をまとめる、分野横断的な視点で議論する等の意見が出された。また、V&V以外では、可視化技術の紹介、福島事故後の計算科学の寄与等をまとめる等の意見も出された。

  • 【報告】2015年秋の大会 計算科学技術 一般セッション

    2015.9.25 高田 コメント無し

    日時:2015年9月9日(水)  14:40~18:15

    場所:静岡大学 静岡キャンパス D会場(共通教育A棟A104)

    • 計算科学技術(破壊試験と数値解析)

    座長:JAEA 西田明美
    D08 極限荷重に対する原子炉構造物の破損メカニズム解明と破局的破壊防止策;(6)模擬材料を使用した破損実験と解析技術の提案
    (東大) ○笠原直人,出町和之,鈴木正昭,佐藤拓哉,(防災科技研) 中村いずみ,(CTC) 岩田耕司

    超高温状態や構造物全体に塑性変形を起こさせる過大荷重による実験は安全と装置容量の両者から困難がある。このため、低温でクリープを生じ、ヤング率や降伏応力が小さい模擬材料を使用した実験と解析技術を提案した。

    D09 ;(7)地震荷重によって発生する機器・構造物の進行性変形機構に関する研究
    (東大) ○桂也真人,國府田敏明,Bari Md Abdullah Al,出町和之,笠原直人,(日揮) 佐藤拓哉

    地震荷重下によって発生する進行性変形のメカニズムを解明することを目的として、平板試験片の加振試験を行った。その結果、熱ラチェットの評価と同様に、定常荷重と繰り返し荷重の組み合わせで発生条件を評価できることを確認した。また、振動荷重の周波数が高いほど、繰り返し荷重の影響が小さくなることを確認した。

    D10 ;(8)Buckling and post buckling of stainless steel tube columns under external pressure
    (Univ. of Tokyo) ○ Byeongnam Jo,Koji Okamoto,Naoto Kasahara

    This study aims to experimentally investigate the buckling and the post buckling behaviors of stainless steel cylindrical tube columns under external pressure. The effects of the external pressure on the buckling temperature was studied for different buckling modes. The change in the buckling temperature was also measured as a function of the radius to thickness ratio. Additionally, the temperature of the tube columns which was already buckled by the external pressure to examine the boundary failure mechanism.

    D11 ;(9)原子炉圧力容器の破損モードマップに関する検討
    (テプシス) ○小川博志,町田秀夫,(東大) 笠原 直人

    シビアアクシデントや巨大地震時に想定される過温過圧および過大荷重に対する原子炉構造物の破損メカニズムを解明するために、数値解析を用いて各破損モードに対する破損限界及び破損モードマップを検討した。

    D12 ;(10)炭素鋼配管系の大変形弾塑性動的解析
    (CTC) ○唐木田泰久,岩田耕司,金伝栄,(東大) 笠原直人

    高温配管用炭素鋼STPT370に対して大ひずみ域まで適用できる繰返し塑性構成式を開発し、地震荷重下の配管系の詳細な大変形弾塑性動的解析に適用した。既往の配管系の地震波加振試験データとの比較により妥当性の確認を行った。

    D13 ;(11)過大地震荷重下の配管疲労強度の信頼性評価
    (東大) ○鈴木正昭,笠原直人

    過大地震荷重下の低サイクル疲労破損モードに対する信頼性に基づいた配管強度評価のために、荷重と強度の不確実性を考慮した信頼性解析を行い、各荷重・強度因子の部分安全係数ならびに等信頼度疲労曲線を導出した。

    • 計算科学技術(不確かさと信頼性)

    座長:東大 笠原直人
    D14 構造解析解の確かさ推定のための数値実験
    (JAEA) ○中島憲宏,西田明美,川上義明,鈴木喜雄

    組立構造物の構造解析コードFIESTAの一部機能である解析結果の不確かさを確認する手段について,数値実験した結果について報告する。

    D15 地震リスク評価の信頼度向上のための建屋の感度検討
    (JAEA) ○西田明美,(東大) 高田毅士,(東京都市大) 村松健

    原子力施設のリスクマネジメントの基盤技術としての地震起因事象に関する確率論的地震リスク評価手法について、評価結果に伴う不確実さを定量化するための検討に取り組んでいる。これまでに、機器のフラジリティ評価における認識論的不確実さ評価のうち、建屋・地盤応答解析の認識論的不確実さ評価にかかわる検討として、モデルプラントを対象とする感度解析や応答解析を実施している。本稿では、特に建屋の感度検討の結果得られた知見について述べる。

    D16 ナトリウム冷却高速炉の熱流動解析評価手法整備におけるV&V実施手順の具体化;(1)最小2乗法GCI 評価手法の整備と不確かさ評価
    (JAEA) ○田中正暁

    ナトリウム冷却高速炉の熱流動解析評価手法整備におけるV&V の実施手順具体化の一環として、最小2乗法による格子収束性評価手法を用いた不確かさ評価手法を整備した。

    • 計算科学技術(解析モデルと可視化)

    座長:JAEA 田中正暁
    D17 白金族粒子を含む溶融ガラススラリーの排出過程の数値解析
    (東大) ○境正俊,酒井幹夫

    DEM-MPS法を用いて、ガラス溶融炉で用いられるような、高粘性スラリーの排出過程のシミュレーションを行った。

    D18 2次元情報可視化による多変量データ解析
    (JAEA) ○宮村(中村)浩子,川上義明,鈴木喜雄,河村拓馬,中島憲宏

    多変量シミュレーションデータを解析するための情報可視化ツールを提案する。本ツールは、2次元可視化手法であるマトリクスグラフとパラレルコーディネイトを拡張することで多変量データ解析に必要な情報を提示する。

    D19 RELAP/SCDAPSIM を用いた教育向けグラフィカル解析プラットフォームの開発;(1)開発コンセプトとシステムアーキテクチャ
    (原子力エンジ) ○玉利洋平,辻田浩介,佐藤鉱太郎,巽雅洋

    原子炉圧力容器内の炉心損傷を模擬できる教育用プラント挙動解析システム『GRAPE』を開発した。解析エンジンとしてRELAP/SCDAPSIM を採用し、複数のプラントモデルに対応する。本稿では、開発コンセプトとシステムアーキテクチャの概要を述べる。

    D20 ;(2)システム設計とソフトウェア実装
    (原子力エンジ) 玉利洋平,○辻田浩介,佐藤鉱太郎,巽雅洋

    原子炉圧力容器内の炉心損傷を模擬できる教育用プラント挙動解析システム『GRAPE』を開発した。解析エンジンとしてRELAP/SCDAPSIM を採用し、複数のプラントモデルに対応する。本稿では、システム設計とソフトウェア実装の概要を述べる。

  • ニュースレター24号

    2015.9.24 高田 コメント無し

    ニュースレター24号をお届けします。

    【目次】

    1. 巻頭言(東京大学 笠原直人)
    2. 2014年度・計算科学技術部会贈賞報告
    3. 2015 年春の年会・計算科学技術部会全体会議報告
    4. 2015 年秋の大会・計算科学技術部会全体会議案内
    5. 2015 年秋の大会・計算科学技術部会一般セッション開催案内
    6. 2015年秋の大会・計算科学技術部会セッション開催案内
    7. 一言一語(日本原子力研究開発機構 田中正暁)
    8. 年間行事予定
    9. 編集後記

     

  • 【報告】日本原子力学会2015年秋の大会 企画セッション

    2015.9.24 高田 コメント無し

    2015年9月9日(水) 13:00~14:30 D会場

    場所:静岡大学 静岡キャンパス(共通教育A棟A104教室)

    「シビアアクシデント解析の現状とChallenge」

    座長:(東大)笠原直人 氏

    シビアアクシデント解析コードは、感度解析やシナリオ検討など実験的アプローチを補完する優れた能力を有し、事故時の現象進展について妥当な結果を与えることが示されているが、コード内に存在する非常に多くのモデルが相互に関連しながら解析が行われるため、その全容を理解し、各モデルが現象評価結果に対して与える影響を明確化することは容易ではない。本企画セッションでは、シビアアクシデント解析コードの現状と課題に関して3名の専門家の方による講演が行われた。

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    なお本企画セッションは、電気新聞より平成27年9月10日付け本紙2面にて紹介頂きました。本文は以下のリンクをご参照下さい。

    http://www.shimbun.denki.or.jp/news/energy/20150910_02.html

     (リンク期間は平成283月頭頃まで)

     

    (1)シビアアクシデント解析コードの概要
     (エネ総研)内藤正則 氏

    福島原発の事故を受けて2011年11月に発足したOECD/NEAの福島原発事故ベンチマーク解析(BSAF)プロジェクトにおいて、従来のシビアアクシデント解析コードでは未考慮の事象・物理現象に対するモデル化の方針を議論し、BSAF共通の解析条件で事故解析が進められている。本講演では、新たなモデル化の主要対象箇所が示され、モデルの概要と課題に関する説明が行われた。

    (2)解析コードを用いた現象評価方法
    (東芝) 小島良洋 氏

    シビアアクシデント時のプラント挙動評価を行う際、現象モデルの不確かさが大きいことによって過度に保守的な評価が行われる可能性があるため、不確かさ低減のために機構論的モデル化や個別要素試験を実施することが有益である。本講演では、MAAPコードによる福島第一原子力発電所の事故進展解析結果に基づき、圧力容器内及び格納容器内で発生したと推定されている現象とその評価結果に関して説明が行われた。

    (3)解析モデル開発におけるChallenge
    (東大)岡本孝司 氏

    シビアアクシデント解析においては、炉心を構成する構造材の変形、溶融、流動、凝固、化学反応といった非線形度が桁違いに大きな現象を解く必要があるため、精密に解くことはあまり意味を持たず、解析の限界を知りつつ可能な限りの評価を行う事が求められている。本講演では、炉内溶融凝固挙動、構造材変形挙動、MCCI挙動などの解析に関するチャレンジについて、実験結果や3次元解析結果に基づく説明が行われた。