Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】日本原子力学会2016年春の年会 企画セッション

    2016.3.31 高田 コメント無し

    2016年3月26日(土) 13:00~14:30 B会場

    場所:東北大学 川内キャンパス(講義棟B棟101)

    「解析コードV&Vの現状と実施例」

    座長:(東大)笠原直人 氏

    近年、数値解析モデルの進歩と計算機性能の飛躍的向上により、様々な工学分野において数値シミュレーションの果たすべき役割が増大し、それに伴ってシミュレーション結果の信頼性を確保することが重要な課題となっている。計算科学技術部会では、設立当初から計算結果の精度に関する検討を行う活動を継続しており、モデリング&シミュレーションのV&V(検証と妥当性確認)に関する新しい標準に関する検討を進めてきた。本企画セッションでは、炉物理分野、熱流動分野、および異分野(土木・建築分野)における解析コードV&Vの現状および実施例について3名の専門家の方による講演を行い、今後策定作業が進むと予想される各分野のV&V実施手順の具体化に関する参考情報を提示した。

    (1) 炉物理分野における解析コードV&Vの現状
     (原子力エンジニアリング)巽雅洋氏

    炉物理解析の目的は、個々の核種の微視的な反応確率のデータを用いて中性子のバランス方程式を解き、様々な核種が混在するシステムの巨視的な挙動を予測することである。本講演では、確率論的手法であるモンテカルロ法と決定論的手法である炉心解析コードのV&Vについて、不確かさの考え方や妥当性確認の方法に関する説明が行われた。

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    (2)熱流動分野における解析コードV&VとScaling
    (原子力機構)中村秀夫氏

    熱流動分野における解析コードV&Vの方法や影響については、これまで多くの議論や対応がなされているが、現象予測に際する内挿や外挿に係るScalingについては、実施の妥当性を系統的に述べているものは主に、システム解析コードを対象にしており、件数も少ない。本講演では、Scalingの意味や影響について説明があり、今後の課題に関する議論が行われた。

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    (3)原子力分野以外における解析コードV&Vの現状
    (東京大学)越塚誠一氏

    解析の品質については、工学シミュレーションを実際に設計-生産に利用する場合に、それが可能となるようなツールを整備するとともに「解析した結果の品質が保証されていること」が重要であるということが強調されている。本講演では、品質V&Vの考え方について説明があり、加えて、日本計算工学会や土木学会におけるV&V活動に関する紹介が行われた。

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