Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】日本原子力学会2017年春の年会 企画セッション

    2017.4.5 桐村 コメント無し

    2017年3月27日(月) 13:00~14:30 G会場

    場所: 東海大学湘南キャンパス

    「シミュレーションの信頼性確保に関する取り組みの現状と課題」

    座長:(東大)越塚 誠一 氏

    2017企画セッション(1)

    国内外においてV&Vの重要性および必要性が広く認識され、シミュレーションの信頼性の確保に関わるガイドラインや標準を作成する動きが活発になっている。日本原子力学会は、2016年7月に「シミュレーションの信頼性に関するガイドライン:2015」(原子力学会ガイドライン)を発行した。これは、シミュレーションの信頼性の確保に関する重要性が高まる状況に鑑み,モデルV&Vに基づいて、不確かさを考慮した予測評価,品質管理を加えたモデリング&シミュレーションの方法論の考え方をまとめたものである。本セッションでは、原子力学会ガイドラインの発行に係る活動の概説と期待、そして他分野における国内外における活動の現状等について議論した。

     

    (1)シミュレーションの信頼性確保に関するガイドラインの発行

    (東芝)中田 耕太郎 氏

    日本原子力学会が2016年7月15日に発行した「シミュレーションの信頼性に関するガイドライン:2015」に関して解説が行われ、本ガイドラインが現象のモデリングに焦点を当てたシミュレーションの信頼性確保のための方法論の考え方を示しており、モデルV&Vに必要とされる要件を完備していることが示された。また、ガイドラインの講習会を実施し、シミュレーションの信頼性確保のための方法論の考え方の普及活動も進めていることが述べられた。

     2017企画セッション(2)

    (2)シミュレーションの信頼性確保に関するガイドラインへの期待

    (横国大)白鳥 正樹 氏

    日本計算工学会は、「工学シミュレーションの品質マネジメント」、「工学シミュレーションの標準手順」および事例集を発行している。原子力学会ガイドラインに関しては、原子力関連施設で生じ得る低確率・高影響の内的又は外的事象を含む特定の評価目的に即したシミュレーションの予測性能を、高い説明性、追跡可能性及び透明性をもって客観的に示すことが重要であり、そのためには、信頼性を継続的に改善するための仕組みが重要であること、特にシミュレーションの予測性能を担保するための実験の重要性について述べられた。

    2017企画セッション(3)

    (3)シミュレーションの信頼性確保に関する国内外の取り組みの現状と課題

    (JAEA)田中 正暁 氏

    原子力分野におけるシミュレーションの信頼性確保の重要性から、日本原子力学会からは「統計的安全評価の実施基準:2008」などが発行されている。海外においては、米国原子力学会、経済協力開発機構/原子力機関、国際原子力機関においてガイドラインの整備が進められている。また、米国機械学では、「原子力システムにおける熱流動挙動のシミュレーション(V&V-30)」などのガイドライン整備が進められている。国内においては、宇宙航空研究開発機構や日本土木学会応用力学委員会において、V&Vに関する活発な議論が行われている。

    2017企画セッション(4)

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