Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
  • 【報告】2014年春の大会 計算科学技術 一般セッション

    2014.4.30 コメント無し

    日時:2014年3月27日 14:30~17:30

    場所:東京都市大学 L会場(1号館12D)

    計算科学技術(構造解析) 14:30~16:10

    座長:JAEA 西田明美

    L28 非構造格子における前処理付き反復法ソルバーの最適化カーネル;行列格納形式,ブロッキング,リオーダリングの効果
    (東大) 奥田洋司氏

    大型計算機においては、階層的なメモリやネットワーク構造に配慮した並列実装が必須となってきている。非構造格子の代表的な解法である有限要素法を対象に、京やFX10におけるハイブリッド並列プログラミングの効果や実行性能結果について報告した。

    L29 分子動力学法による面心立方金属の空孔挙動に及ぼす材料物性の影響に関する研究
    (東大) 石原雅崇氏

    オーステナイト鋼では、弾性論に基づくと、積層欠陥四面体が安定な空孔集合体の形状であることが明らかとなっているが、304系ステンレス鋼のTEM解析では、積層欠陥四面体等が観察されていないという問題があった。分子動力学法によってオーステナイト鋼中の空孔集合体の形態に及ぼす積層欠陥エネルギー、サイズ、温度の影響を解明し、弾性論の結果とは異なり、軽水炉運転温度相当ではマイクロボイドが安定であることを報告した。

    L30 分子動力学法を用いた軽水炉炉内構造材における照射硬化のミクロメカニズム解明に関する研究
    (東大) 西尾慶太氏

    積層欠陥エネルギーは、オーステナイト鋼の照射硬化を考える上で重要な材料物性の一つである。軽水炉内構造材における照射硬化のミクロメカニズムである格子間原子型積層欠陥ループと転位の相互作用について、その影響を分子動力学法によって解明した。積層欠陥エネルギーが低いほど、欠陥残存の発生頻度が増加し、硬化が高くなった結果を報告した。

    L31 教育用FBR プラント設計プログラムFP-Design による設計例
    (東大) 笠原直人氏

    学生への教育演習として、FP-DesignというFBRプラント全体を一元的に設計できるよう開発したプログラムを紹介した。また、実際に講義においてこのプログラムを活用した設計演習例のいくつかを報告した。

    L32 高低温流体の境界の空間変動に対する熱応力の応答に関する研究
    (東大) 早田浩平氏

    流体温度ゆらぎによって接液構造物に生じる熱応力を従来手法では過小評価するという問題があった。そこで有限要素解析により、熱成層界面ゆらぎ現象による熱応力発生メカニズムを解明したことを受け、高低温流体の境界ゆらぎにより発生する熱応力をより高精度に評価できる新しい周波数応答関数を提案し、その適用について報告した。

    L33 組立構造解析を用いた固有値解析
    (JAEA) 中島憲宏氏

    部品ごとに有限要素分割したデータを集積し、それらを結合して解析できるようにする組立構造解析手法を提案してきており、その解析技術の向上の一環として、部品境界条件の一般化に取り

    組んでいる。連続体とみなせる大型組立構造物の有限要素解析に適用した結果や、組立構造物の有限要素解析技術を利用した解析技術について報告した。

     

    計算科学技術(計算科学技術) 16:10~17:30

    座長:JAEA 中島憲宏

    L34 ハザード適合地震波による構造物の応答解析
    (大成建設) 五十嵐さやか氏

    原子力施設の確率論的地震リスク評価の高度化を目的として、対象サイトの地震ハザードと調和し、かつ、震源特性の違いを含む200波もの地震波群をモンテカルロシミュレーションにより作成してきた。これらを入力地震波とした質点系モデルの地震応答解析を実施し、震源特性の異なる地震波群および構造特性の不確定性による建物応答への影響の分析を報告した。

    L35 高速炉の高サイクル熱疲労解析評価に対するV&V 実施手順の具体化
    (JAEA) 田中正暁氏

    ナトリウム冷却高速炉(Na 高速炉)における高サイクル熱疲労に対する解析評価手法を整備するにあたり、使用する解析コードの検証(V&V:Verification & Validation)を含め外挿評価となる実機解析結果の信頼性確保が極めて重要となる。国内外における既存手法を基に、V&V と実機での現象予測および機器等の健全性確認を目的とする実機外挿評価を含めた実施手順V2UP(Verification & Validation, Uncertainty quantification and Prediction)の具体化について報告した。

    L36 3D Numerical Simulation of a Self-leveling Experiment using CFD-DEM Code
    (九州大学) LianCheng Guo氏

    デブリベッドの形成やセルフレベリング挙動の把握は、溶融燃料の移動や冷却に重要である。3次元炉心安全解析コードSIMMER-IVと個別要素法をカップリングしたハイブリッドな解析手法を開発し、セルフレベリング現象への適用性について妥当性評価を行った結果を報告した。

    L37 Development of a Hybrid Particle-Mesh Method for Multiphase Flow Simulations
    (九州大学) XianXing Liu氏

    混相流の解析を行うために、CIP/MMと有限体積粒子法をカップリングした。流れ場をCIP/MMで、相の境界部分を粒子で解くことを試みた。ベンチマーク問題を通じた、解析手法の妥当性と安定性について報告した。

    L38 電磁ポンプ用三次元電磁流体解析コードの開発
    (東芝) 浅田隆利氏

    電磁ポンプ解析には電磁場とナトリウムの流動場の連成解析が必要であり、また揚程予測精度を高めるためには径方向および周方向を模擬可能な三次元化が必要となる。このため、三次元の電磁流体解析コードを開発し、過去の試験との比較を行った検証結果を報告した。

  • 【報告】2013年秋の大会 計算科学技術 一般セッション

    2013.10.11 桐村 コメント無し

     

    日時:2013年9月3日 10:20~12:00
    場所:八戸工業大学 J会場(教養棟旧館210)

    座長:東京大学 越塚誠一

    J01    ガス巻き込み現象の直接数値解析に向けた手法の開発(6);
        非構造格子における高精度界面勾配・曲率計算法
        (JAEA) 伊藤啓 氏

    ナトリウム冷却炉におけるガス巻込み現象を直接再現することを目的として、複雑な形状の体系に適用できる非構造格子を用いた数値解析手法の開発を進めている。非構造格子における気液界面の勾配と曲率を高精度に計算する手法の開発およびそれを検証した結果について報告した。

    P9040002 P9040003

    J02    粒子ベースボリュームレンダリングを利用した原子力分野における
        大規模有限要素シミュレーション結果向けのクライアント/サーバ可視化システム
        (JAEA) 河村拓馬 氏

    原子力分野におけるシミュレーションは年々大規模化してきており、それらシミュレーション結果データの転送速度、ユーザ端末でのストレージ容量、可視化処理能力・処理時間等の点で、ボトルネックが顕在化している。この問題の解決策として粒子ベースボリュームレンダリングに基づくクライアント/サーバ方式の分散可視化処理を提案し、大規模シミュレーション結果での可視化結果を報告した。

    P9040004  P9040006

    J03    分子動力学法による面心立方金属の転位挙動に及ぼす材料物性の影響に関する研究
        (東大) 石原雅崇 氏

    積層欠陥エネルギー(SFE)のみを変えた6つの原子間ポテンシャルを用いて、拡張した転位の挙動と照射欠陥吸収過程に及ぼすSFEの影響を分子動力学(MD)法によって明らかにした。SFEの相違によって完全転位化を伴う吸収と転位線上の拡散を伴う吸収の2つの異なる過程が観察されたことを報告した。

    P9040007 P9040008

    J04    巨大地震下における原子力施設全体の挙動解析
        (JAEA) 鈴木喜雄 氏

    地盤-建屋-機器(簡易モデル)の挙動解析と機器(詳細モデル)の挙動解析を連係実行し、両解析の結果を比較して、モデルの品質向上を行うことにより、より妥当と思われる結果を得たことを報告した。

    P9040009 P9040010

    J05    教育用FBRプラント設計プログラムFP-Design の活用
        (東大) 笠原直人

    FBRプラントシステムを総合的に理解する俯瞰力を養うため、FBRプラント全体を一元的に設計できるプログラムFP-Designを開発し、学生教育への活用を開始した。本プログラムの特徴、具体的な設計問題を扱った演習問題の例、および教育への効果について報告した。

    P9040011 P9040012

    J06    組立構造解析手法による部品集積解析
        (JAEA) 中島憲宏

    原子力発電施設のような膨大な部品点数を有する大型組立構造物に有限要素解析を適用するため、部品毎に有限要素分割されたデータを集積し、解析する手段について提案した。連続体とみなせる大型組立構造物の有限要素解析に適用した結果や、大型組立構造物の有限要素解析技術を利用した解析技術についても報告した。

    P9040013 P9040014

  • 【報告】2013年春の大会 計算科学技術 一般セッション

    2013.4.5 高田 コメント無し

    2013年3月28日(木) 9:50~12:00 於近畿大学 O会場

    【計算科学技術】 座長:東京大学 笠原直人

    O22 1/f 揺らぎの媒質中での中性子飛程長サンプリング

    (JAEA) ○植木太郎

    巨視的断面積の変動が非整数ブラウン運動モデルで記述される媒質について、デルタ追跡法を適用し、中性子飛程長分布の指数法則からのズレが、負相関の時は小さく、正相関の時に大きくなることを確認した。

    O23 T 字合流配管の温度ゆらぎ現象の数値解析;LES Dynamic SGSにおける温度場の差分スキームの影響

    (INSS) ○中村晶,歌野原陽一,三好弘二

    高低温水が合流するT 字配管では,熱疲労によるき裂発生が懸念される.温度差・配管形状・流速比などの状態に応じて疲労評価を行うためには,配管に生じる温度変動を予測する必要がある.LES を用いた熱流動数値解析はその手段の一つであるが,温度場の差分スキームによっては評価精度に影響があるため、その影響を調べた.

    O24 デブリベッドのセルフ・レベリング挙動評価手法の開発

    (JAEA) ○田上浩孝,飛田吉春,(九大) 郭連城,張斌,守田幸路

    ナトリウム冷却高速増殖炉(SFR)のATWSによる炉心損傷事故(CDA)におけるデブリベッドの冷却性に大きな影響を与えるセルフ・レベリング現象をオイラー方程式系で評価する手法のアルゴリズムを開発し、模擬試験による検証解析を実施した。

    O25 Numerical Simulation of Bubbling Fluidized Bed using a CFD-DEM Hybrid Code

    (Kyushu Univ.) ○ Lian Cheng Guo,Koji Morita,
    (JAEA) Hirotaka Tagami,Yoshiharu Tobita

    A hybrid method for bubbling fluidized bed analysis is developed by coupling the multi-fluid model of
    SIMMER-III with the discrete element method (DEM). Numerical simulations of a typical system of
    Geldart’s group B particles show reasonable agreements with corresponding experimental results.

    【構造解析】座長: 日立製作所 光安岳

    O26 教育用FBR プラント設計プログラムFP-Design の開発

    (東大) ○笠原直人,(FBR 高等研) 高橋忠男

    FBRプラントは、複数の学術領域にわたる要素技術が結合して構成されている複雑なシステムである。その全体を理解した上でバランスのとれたプラント設計を行える俯瞰力を養うため、プラント全体を一元的に設計できるプログラムFP-Designを開発し、学生教育への活用を開始した。

    O27 地震ハザード評価の高度化のための地震動生成法

    (JAEA) ○西田明美,(大成建設) 五十嵐さやか,坂本成弘,
    (東京都市大) 村松健,(東大) 高田毅士

    確率論的地震リスク評価手法の高度化を目的として、対象サイトの地震ハザードと調和し、震源特性の違いが認識可能な地震動群を生成する手法を提案し、その震源特性の傾向を分析した。

    O28 組立構造解析手法における部品結合技法

    (JAEA) ○中島憲宏

    有限要素解析技術を利用して、原子力発電施設のような大型組立構造物の解析をするために、入力データの作成を効率化する技術として、部品毎に有限要素分割されたデータを結合技法を開発した。連続体とみなせる大型組立構造物の有限要素解析に適用する一方、大型組立構造物の有限要素解析技術を利用した解析技術に今後適用していく。

    O29 非構造格子におけるハイブリッド並列プログラミングの最適化;行列格納形式,ブロッキング,オーダリングの効果

    (東大) ○奥田洋司

    京をはじめ、近年の計算機アーキテクチャにおいては、階層的メモリやネットワーク構造に配慮した実装が必須と
    なっている。本講演では、非構造格子の代表的な解法である有限要素法における、ハイブリッドプログラミングの
    留意点、実効性能に対する効果について、京ないしは東京大学のFX10 での単体ノード性能評価に基づき発表する。

  • 2012年春の大会 計算科学技術 一般セッション報告

    2012.4.27 コメント無し

    2012年3月21日(水)  10:20~12:00 F会場

    F37 GPU を用いた超臨界圧流体のLES 解析手法の開発

    (JAEA) ○小野寺直幸, 吉田啓之, 高瀬和之

    本研究ではラージエディ・シミュレーション(LES)を用いて、超臨界圧流体の高精度な熱流動解析手法の開発を 目的とする。本報では、擬臨界点近傍での超臨界圧水のストリーク構及び乱流統計量について示す。

    F38 VOF モデルによる液々向流型遠心抽出器内の油水分散流動解析

    (東工大) ○中瀬正彦, 竹下健二

    液々向流型遠心抽出装置内の油水分散挙動を VOF モデルで解析し、運転パラメータ(内筒回転数)、物性値(粘性、界面張力、内筒の濡れ性)が流動に及ぼす影響を考察し、抽出率の向上する条件について検討した。

    F39 ガス巻込み現象の直接数値解析に向けた手法の開発(5);ガス巻込み流量の定量評価

    (JAEA) ○伊藤啓, 大野修司, 上出英樹, (京大) 功刀資彰, (信州大) 小泉安郎, (NESI) 河村拓己

    Na冷却高速炉炉におけるガス巻込み現象の再現を目的として,非構造格子を用いた高精度気液二相流数値解析手法 の開発を進めている.本件では,ガス巻込み量計測基礎実験を対象とした検証解析の結果について報告する.

    F40 プログラミング言語AIDA とモデリング環境

    (会津大) ○渡部有隆, Nikolay Mirenkov, 寺坂晴夫, 吉岡廉太郎, 角山茂章, (JNES) 遠藤寛, 帶刀勲

    計算モデルとアルゴリズムをピクチャによる拡張文字と動画を用いて直接記述することができるプログラミング 言語 AIDA の開発を行っている。AIDA モデリング環境におけるエディタ、ライブラリ、コード生成器の開発の現状 を報告し、事例研究として流体解析コードを適用することで AIDA によるプログラムの簡潔さと透明性を示す。

    F41 格子―粒子ハイブリッド法による液膜流の3次元解析

    (東大) ○川上俊弘, 間所寛, 石渡祐樹

    格子-粒子ハイブリッド法を用いて傾斜平板上の液膜流を3次元解析し、液膜流の性質の解析性能を検討した。

    F42 Development of a Hybrid Method for Numerical Simulation of Multiphase Flows with Rich Solid Particles

    (Kyushu Univ.)○ Lian Cheng Guo,Koji Morita, (JAEA)Yoshiharu Tobita

    A hybrid method for multiphase flow analysis is developed by coupling the multi-fluid model of SIMMER-III with the discrete element method (DEM). Numerical simulations of dam-break behavior with rich solid particles show reasonable agreements with corresponding experimental results.